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社員にどこまで期待するか

Posted on:2018年6月5日 at 00:00

我が社が関わっている業務で使う技術は、
世の中で話題になっている最新技術と比較すると最底辺である。
各社員は技術力をつけるように。

ある日の全社会議で社長からこんなことを言われました。
ある分野に特化しているSIer企業で、
売上げの8割近くをその分野が占めており、
ほとんどの社員がその分野の業務に携わっている状況です。
その分野は安定性が非常に重要で、::枯れた技術::を主に利用しています。

世の中では枯れた技術が話題になることは少ないですが、安定性は非常に高いと思います。

しかし、枯れた技術自体が進化することはあまりなく、
枯れた技術を組み合わせて新たな技術が生まれていきます。

枯れた技術を知っているだけでは、時代についていけないでしょう。
そういう視点では、社長の意見は納得できます。

ですが、社員からすればどうでしょうか?
プライベートの時間を技術の習得に使うでしょうか?
おそらく使う社員は少ないと思います。

今やっている業務をこれからも続けていって、
今の自分の上司がやっているようなことを、いずれは自分もやるようになるだろう。

ほとんどの社員はこのように考えていて、
世の中の流れやトレンドを考えず、知ろうともせずに、
毎日目の前の業務だけを考えているでしょう。

このように考える社員が良いとか悪いとかの話ではありません。
会社として、このような社員にどうやって新しい技術を習得させるかが課題なのです。

各社員は技術力をつけるように。

このような話だけでは、どの社員も行動しないでしょう。

何の為に技術を習得する必要があるのか?
行動するための目的を話さないといけません。

例えば、

会社のメインとしている分野が低迷してきているので、
新しい分野の事業を立ち上げる計画がある。
その為には、この技術を習得する必要がある。

というように説明すれば、

各社員は技術力をつけるように。

という曖昧な話から、 何の為に、という目的を含んだ話になりました。 これで、会社はこのような方針を考えていて、 その為に技術を習得する必要があるということを社員は認識できます。

しかし、これだけでは社員のプライベートの時間を使う、という問題は残ったままです。 そこで、

というような話をすれば、 お金がもらえるなら勉強してみようかな、と思う社員は出て来るはずです。

報酬を与えずに社員を動かそうとする傲慢な考えはあり得ません。

当たり前ですが、会社としての計画も無く社員を動かすのは、何の意味もありません。 目的があってこその行動です。

何も言わずとも期待している行動をしてくれる社員がいてほしい、と考えるのは当たり前だと思います。 ですが、そのような社員を待ち続けるのでは無く、 今いる社員に対して、会社として適切な対応をして、改善していくべきだと思います。